海外移住で永住権を取得 ! 年金はどうなる?

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2017年では、海外に在住している日本人の総数は約135万人という統計が出ています。では海外移住をした日本人は、どの国に住んでいるのか?  上位3ヵ国を見てみました。

1   米国      426,206人

2   中国      124,162人

3 オーストラリア  97223人

日本人の永住先で1番多いのはダントツアメリカです。

アメリカの永住権取得に関しては、トランプ政権以後かなり難しくなってきていると思いますが、それでも、世界でアメリカに住んでいる永住者は全部で18万人。この人数は他の国に住んでいる永住者の中でも、これまたダントツ1位なのです。

そんなアメリカですが、結婚、雇用、くじに当選した、多額の投資をしたなどの理由で運よく永住権(グリーンカード)を取得した人達の年金はどうなっているのでしょうか?

私は、老後のアメリカの年金については、移住前にあまり調べずに移住しました。お恥ずかしいのですが、移住してから必死で調べまくったというのが真実です。行けばなんとかなるさというか、とにかくカリフォルニアの青い空に魅せられてしまい、もう足が一歩外に出ていたんです。

これは悪い例ですよね。年金のこともしっかり頭に入れて海外移住しないと、後々、体が弱って働けなくなった時に大変なことになります。ということで、今回は

「アメリカに長年在住していた人が日本に帰国(移住)した場合の米国の年金(Social Security)はどうなるのか?ということを書いてみました。

アメリカと日本の年金、どちらも貰えます

■年金の受給権はどうなるの?

米国の年金の種類は、老齢年金、障害年金、遺族年金があります。

どの年金受給権(年金を受給する権利)も国籍や居住地を問うものではありませんので、米国に居住している市民権を取得した米国籍者や日本国籍である永住者が日本へ帰国してもアメリカの年金には影響はありません。

既に米国年金を受給中の人が日本へ帰国してもそのまま継続して受給できますし、これから受給申請をする人も日本で申請すれば受給することができます。

■日本に帰国後どうやって受け取るの?

帰国後、まずしないといけないのは住所変更手続きです。米国社会保障局(SSA)からの郵送物が古い住所(アメリカ)に送られてはいけないので、まずこれはしておかないといけません。米国社会保障局(SSA)とは年金などを扱う公的機関のことです。

ただ、年金受給者については何も変更手続きを行わなくても年金は問題なく金融機関の口座へ定期的に振り込まれます。でも、年金の振込先を米国の金融機関から日本の金融機関の口座へ変更したい人は受取時の通貨をドル建て、または円建てとどちらも指定することができますので変更してください。(ドル建ての場合はドル口座が必要です)

■手続きはどうやってやるの?

帰国後の退職年金、障害年金、遺族年金の申請手続きは米国のSSAに対して英語で行いますが英語が苦手な方は、日本年金機構でも行えます。

日本年金機構が運営する年金事務所は日本全国にあり、また窓口の 担当者には日本語で相談できるのでわかりやすくて便利なのですが、日本年金機構はあくまでも書類を受け付けるだけです。受付後の書類は米国大使館で処理されるため、その後のやりとりは米国大使館と直接行うことになります。

また、既に年金受給している人の住所変更、受取金融機関の口座変更手続はSSAでもできますが、帰国後に米国大使館で行うことができます。大使館の年金担当部門( 担当者は日本語を話します)へ電話で変更手続きを希望する旨を伝えると提出書類について説明がありますので、それにしたがって書類を郵送します。

■日本で加入していた年金をアメリカの年金と通算できます

●日米社会保障協定
米国の年金を受給するには受給要件があります。それは加入期間が40クレジット(約10年間)必要だということです。

しかし、日本の年金に加入していた人は日米社会保障協定により日米の年金加入期間を通算することができます(それでも米国年金は最低6クレジットは必要)。

たとえば米国で就労していた期間が6年間(Social Security Taxを6年間支払っていた)の場合、本当なら10年に満たないので米国年金を受給することはできませんが、以前日本で厚生年金や国民年金に4年以上加入していれば通算して10年となりますので6年分の米国年金を受給できます(4年分は日本年金機構から支給されます)これが日米逆であっても同じです。日本の年金期間に米国の年金期間を足すことができます。

米国年金の加入期間が短い場合は、是非「以前日本で年金に加入していたかどうか」かを調べてみて下さい。

■日本の年金を受給すれば米国の年金は減額される

米国年金については、米国以外の年金(日本の厚生年金、共済年金を含む)を受給すると一定の条件下において年金額が減額されます。ただ米国年金受給者が米国以外の年金を受給しているかどうかのSSAの確認方法については、主に本人からの自己申告となります

そのため、米国年金受給者の中には日本の年金を受給しているにもかかわらず(申請手続きが難しくてわからなかったなどの理由により)自己申告をせずに米国年金を申請し、減額されないままの年金額で受給している人がいます。

こうした人が日本帰国後に米国大使館に連絡すると、日本の年金を受給しているかどうかを質問されることがあります。「受給している」と回答するとその時点で米国年金の減額の対象となりそれ以降の年金が減額されます。

さらにこの場合減額の対象となる年金は既に受給した過去の分も含まれるため、さかのぼって返還することになります(返還方法についてはそれ以降受給される年金額と相殺する方法となります)
この米国年金がいくら減額されるのか?や詳細はWEP(Windfall Elimination Provision=棚ぼた排除規定)下記SSAのウェブサイトをご参照下さい。
https://www.ssa.gov/planners/retire/wep.html

日本とアメリカの年金を比較してみた

■アメリカと日本のサラリーマンや専業主婦はどちらが年金が多い?

参考までに、私が標準的なサラリーマンのケースを試算してみました。
同じ年収であれば米国の年金給付額が日本より1.6倍多くなりました。
保険料の差を考慮しますと米国の給付が2倍弱ということになります。

また働いていない配偶者(主婦)や(主夫)の年金はどうなのだろうか。
米国ではこうした人の年金は、配偶者の半分ということになっている。
ということは、日本より米国の方が専業主婦(主夫)は恵まれているということになります。

しかし、もっと肝心なのは現在の計画通り年金が貰えるかということでしょう。
これについては、両国とも年金の持続性には疑問符がついています。

このように見て行きますと、日本と米国の年金制度はとても似通っています。
日本のサラリーマンを辞めて米国の企業や大学に転職するというケースでも常識的な額の年金は貰えるので、心配はなさそうです。

ですが、老後の年金受け取りに関しては、米国で日本の年金を受け取る、または日本で米国の年金を受け取る手続きが必要になるので注意が必要です。

数年間だけ米国に勤務してその後日本に永住帰国するケースでは、この外国から年金を受け取る面倒を避けるために、10%の税金と高い所得税を払って現金化してしまう人もいるようです。でもこの場合は、合計で残高の40%程度を差し引かれることになるので損失は大きいです。

私の場合は、日本の年金は微々たるものだしアメリカでは専業主婦なので、どうやらアメリカの夫の年金の半分を受け取ることになる可能性が高いです。でも、私達夫婦は私が年上で年齢差も大きいので、夫が年金を受け取れる年(62)になるまで私も受け取れません。一体私は何歳になるのやら・・日本で個人年金に入っておいて助かりました。

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