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海外移住するなら行先の国の「税金」を調べることは大切です。
どちらで申告すればいいのか?
家を買ったらどうなるの?
所得税はどのくらいかかるのか?
などなど果てしなくわからないことばかりが頭の中で浮かんできます。
税金の安い国、高い国、で選ぶのか。
それとも自分が住みたい国にするのか、選択肢も色々ありますね。
税金は支払う「義務」があります。異国で罪を問われしまうようなことになってはいけません。それはとても恐ろしいことです。
私が感じたのは、アメリカでは税金についてはとても良い点がたくさんありました。
海外移住をし国際結婚した場合に気になる税金(アメリカ)
私がアメリカのカリフォルニアに国際結婚で海外移住したのは50才の時。
来る前に移住先のことをある程度は調べていましたが、やっぱり自分が調べたことなんて曖昧なので、結婚をしてから色々なことが気になってきました。
その中のひとつに「税金」というのがありました。
日本では、会社勤めをしていると、雇用主が年末調整という形で納税を済ませますよね。でもアメリカでは個人が申告書を提出します。全ての人が収入がゼロであっても申告をしないといけないので、やはり学んでおくべきだと思いました。
会社員の場合は、源泉徴収方法で多めに予定納税をしていることが多いので、過納税分が戻ってくる可能性が高くあります。でも、自営業の人は予定納税が十分でないので、会計士と対策を講じた方が良いです。
確定申告書を作成する際には、「独身」「夫婦合算申告」「夫婦個別申告」などの中から申告ステータスを必ず選ばなければなりません。海外移住をして国際結婚をした場合の税金の申告書は「夫婦合算申告」が普通です。このステータスによって控除や税率の割合が変化します。
それぞれの州によって違う税金についての法律
アメリカでは州によって独自の州法や税法があります。
所得税では「連邦所得税」と「州所得税」という二つがあって、日本でいう確定申告は「タックスリターン」と呼ばれ、それぞれを毎年4月15日までに納めることになっています。
私が国際結婚で海外移住したカリフォルニア州の場合の税金申告に必要なのは下記の書類でした。
[収入に関する書類]
給与源泉徴収票・W-2
銀行などの利子・1099-Int
給与以外の労働及びその他・1099-Misc
株式配当・1099-Div
失業保険・1099-G
社会保障年金(ソーシャルセキュリティー)
ギャンブル・W-2G
キャピタル・ゲイン又はロス(株式・不動産など)
不動産レンタル
特許
慰謝料
年金引き出し・1099-R
パートナーシップ・K-1
個人事業
農業
日本の年金
その他収入の記録
[支出に関する書類]
家のローンの利子・1098
ギャンブル損失など標準控除より有利な項目別控除の適用を受ける場合
“領収書をまとめておく”こと。
DMV(自動車登録)
チャイルドケアー
医療費
固定資産税
50マイル以上の引越し代
IRSの定める病院・学校・教会・寺院・十字軍・赤十字・図書館などの非営利団体への寄付
短大以上の教育費
前年のタックスリターンの支払い
投資関連
病院代
事業や慈善事業関係(マイレージ記録含む)
養子縁組
大きな買い物のセールスタックスその他支出記録
所得税が課税されない州もある !
アメリカは州によって税法が違うのですが「州所得税」のない州が9州存在します。
これらの9州は、62才から貰える(満額もらえるのは67才から)老齢年金も課税されることはありません。
その9州とは
Alaska (アラスカ)
Florida (フロリダ)
Nevada (ネバダ)
South Dakota (サウス・ダコタ)
Texas (テキサス)
Washington (ワシントン)
Wyoming (ワイオミング)
New Hampshire (ニューハンプシャー)
Tennessee (テネシー)
です。ただしNew Hampshire とTennesseeに関しては投資の収入が
限度額を超えてしまうと課税となります。
でも、これらの州は「州所得税」がない代わりに売上税(消費税)・資産税・燃料税などで高い税金を徴収しています。とはいえ、所得税がない州に海外移住や国際結婚するのは賢い選択肢ではないでしょうか?
海外移住したなら老後は老齢年金には課税されない州に引っ越したい!
これらの州は所得には課税されますが、老後に貰える年金には課税されない州です。
Alabama(アラバマ), Arizona(アリゾナ), Arkansas(アーカンソー),
California(カリフォルニア), Delaware(デラウエア),
Georgia(ジョージア), Hawaii(ハワイ), Idaho(アイダホ), I
llinois(イリノイ), Indiana(インディアナ), Iowa(アイオワ),
Kentucky(ケンタッキー), LouisianaA(ルイジアナ), Maine(メイン),
Maryland(メリーランド), Massachusetts(マサチューセッツ),
Michigan(ミシガン), Mississippi(ミシシッピ),
New Jersey(ニュージャージー), New York(ニューヨーク),
North Carolina(ノースカロナイナ), Ohio(オハイオ),
Oklahoma(オクラホマ), Oregon(オレゴン),
Pennsylvania(ペンシルベニア), South Carolina(サウスカロライナ),
Virginia(バージニア), Wisconsin(ウィスコンシン),
District of Columbia(DC). (コロンビア特別区)
どうせ海外移住して国際結婚をするなら、老後、税金の面で助かる州に住みたいですよね。
老後に、これが理由で引っ越すのもアリかなと思います。
年金に課税されないので、いいですよね。
■SALES TAX(売上税)~日本の消費税のようなもの
日本の消費税とは異なり、アメリカの消費税は連邦税ではなく州と郡が課税します。
それプラス市が課税するところもあります。
私が海外移住して国際結婚も落ち着いた頃、スーパーで税金について驚いたことがあります。それはSales Tax(売上税)日本でいう消費税なんですが、スーパーの食材には掛からないことないんですよね。ところが調理されてしまった惣菜は税金が掛かるんです。何故、食材には税が掛かってお惣菜には税が掛からないのか未だに意味不明ですが、これはとても助かります。
ところで、このセールスタックス(消費税)のない州も5州あります。
Alaska(アラスカ), Delaware(デラウエア), Montana(モンタナ),
New Hampshire(ニューハンプシャー), Oregon(オレゴン)です。
アラスカ州は州所得税もないし、消費税もない州なんですよ。
羨ましい~!!
私が住んでいるカリフォルニア州の州所得税は最高税率で最高13.3%です。
これはとっても痛いです。カリフオルニア州は全ての税金を支払わされる
州ということで有名です。あーあ・・・。
海外移住をして国際結婚をする際に知っておきたい税金の控除
・所得控除
アメリカの所得税は所得収入に課税されますが、全ての所得収入に課税されるわけではないです。この課税されない収入が「所得控除」です。納税者と扶養家族の人数分の控除を受けられます。
所得控除には定額控除(Standard Deduction)と、項目別控除(Itemized Deduction)の2種類あります。この内、どちらか控除額の大きいほうを取り、所得収入から差し引きます。
所得控除にはこのようなものがあります。
・定額控除(Standard Deduction)
・項目別控除(Itemized Deduction)
・人的控除(Personal Exemption)納税者と扶養家族一人につき$3900の控除
・その他の所得控除
1. IRA(Individual Retirement Arrangement)
2. Moving Expense(引越し費用)仕事に関係している引っ越しだけ
3. Student Loan Interest Deduction 教育ローンや授業料、寮費など
4. Tuition and Fees Deduction 本人、配偶者、扶養家族のための高等教育、専門学校などの授業料が最大4,000ドルまで控除
・医療費控除
1.年収の10%(65歳以上は7.5%)以上支払った場合。
2.本人または扶養家族の医療費だけに適応。
3.保険(医療目的のために払った保険料)
4.宿泊およびトランスポーテーション(医療目的の移動と宿泊)
5.その他の控除対象となる医療費
合法的な堕胎、カイロ、はり、アルコール、ドラッグ更生プログラム、救急車、義手、義足、車椅子、歯の治療、盲導犬、不妊治療、レーシック、入れ歯、めがね、コンタクトレンズ、
医師の処方による禁煙プログラム、精神治療、カツラ、X線
・医療費控除の対象とならないもの
ベビーシッター、外国の処方箋による薬、ビタミン剤、美容整形、増毛、歯のホワイトニング、葬儀代、アスレチックジム、妊婦服、家族の介護、法律に反した治療、薬
・養育費控除
これについては所得控除後の金額から差し引かれる、とても「節税効果の高いクレジット」です。
・チャイルドタックスクレジット
17才未満の子供一人につき$1,000を受け取ります。
所得収入によって減額されたりします。
・チャイルドケアクレジット
両親が共働きで13才未満の子供を託児施設に
預けなければならない場合(一人なら最高$3,000、
二人以上だと最高$6,000)の最大35%(収入によります)
を受け取ります。
・エデュケーションクレジット
大学、専門学校等に支払った教育費用を
受け取ります。年収制限があります。
↑で書いたTuition and Fees Deductionといっしょに
受け取ることはできません。
また、スカラーシップ(奨学金)、グラント(研究の補助金)で
受け取った金額は相殺されます。
・ホープクレジット
就学2年間で合計最大$1,800をクレジットで受け取ります。
・アメリカンオポチュニティークレジット
上記ホープクレジットの時限改訂版。
就学4年間で最大$2,500のクレジットを受け取ります。
・ライフタイムラーニングクレジット
教育費用のうち最大$2,000をクレジットで受け取ります。
上の二つと違い年数制限はありません。
・寄付についての控除
・自宅売却の際に発生するキャピタルゲイン(売却利益)税の控除
こキャピタルゲインとは、自分の不動産等を売却する時に、購入価格より売却値段が上がっていることによる利益のことです。
これにキャピタルゲイン税が課税られます。しかし、条件があってそれに合っていれば控除を受けられます。
その条件とは・・・(州の税は各州で違うので連邦税のみの条件です)
★自宅として住んでいる家である。
★過去5年間の内、夫婦どちらも2年以上住んでいる。
(続けて2年でなくても良い)
★過去5年間の内、夫婦どちらかが2年以上所有している。
★過去2年以内にキャピタルゲイン控除を受けていないこと。
これらの条件が合致していれば、個人では $250,000、夫婦(ジョイント)では $500,000(約5000万円)のキャピタルゲイン(売却益)が控除になります。
この控除って正直、凄いと思います。夫婦のどちらかが亡くなった場合は、2年以内に売却すれば夫婦としての控除額$500,000が反映されるんです。
また、2年以内にこの控除を受けていなければ、何回でもこの控除を受けられることができます。家を売却する場合の税金は大きいですので、これは本当に助かります。
カリフォルニアでは、家の価格は毎年上がり続けているので購入価格の2倍になるということも十分ありえます。
海外移住の計画をしていた時に調べられることって半分くらいだったのではないでしょうか?国際結婚して初めて自分の国として本格的に税金や年金のことを調べ分かってきました。案外海外に移住する人ってそんなタイプじゃないと思い切ってできないのではないかな? と思います。